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2015年分の確定申告の主な改正ポイント

税金

TKC全国会 会員 税理士 / 平塚 裕章

このコラムの内容は、2015年(平成27年)12月現在のものです。

●所得税の申告期間
2016年(平成28年)2月16日(火)〜3月15日(火)
※還付申告は2016年2月15日(金)以前でも可 
●個人事業者の消費税の申告期限
2016年(平成28年)3月31日(木)
●贈与税の申告期間
2016年(平成28年)2月1日(月)〜3月15日(火)

2015年分(平成27年分)の確定申告の申告期間は右の通りです。それぞれ申告期間が微妙に異なりますのでご注意ください。今回は、確定申告の作成に当たり、2015年(平成27年)より適用される所得税、贈与税の主な改正点・創設点についてご紹介します。
また、個人資産家の皆さまに影響の大きい来年以降の改正についても取り上げます。

所得税

(1)所得税の最高税率の見直し
新たに課税所得4,000万円超の税率区分が設けられ、<所得税45%+住民税10%>の税率が課税されます。
(2)NISA(少額投資非課税制度)の利便性向上
NISA口座を開設する金融機関を1年単位で変更でき、口座を廃止した場合も翌年以降に再開設できるようになりました。
(3)相続税の取得費加算の特例の見直し
相続した土地を相続税の申告期限から3年以内に売却した場合は、譲渡所得の計算上、相続した土地について納めた相続税相当額を取得費に加算することができます。改正前は「その人が相続したすべての土地等に対応する相続税相当額」を、売却した土地の所得税の取得費に加算できましたが、改正後は「売却した土地等の相続税相当額」だけとなります。
(4)国外転出時課税制度の創設
一定期間国内に住所または居所を有している人が国外転出をする場合、保有する有価証券等(合計額1億円以上)の含み益に課税されることになりました。所得税の確定申告等の手続きが必要になります。
※(1)(2)(3)は2015年(平成27年)1月1日より、(4)は2015年(平成27年)7月1日より適用。
(5)2015年(平成27年)の住宅ローン減税
住宅ローン等を利用してマイホームの新築、購入、増改築等をした場合の所得税控除額は下表の通り。 なお、ローンの利用がなくても、長期優良住宅や省エネ住宅の取得、一定のバリアフリー改修工事や省エネ改修工事・耐震改修工事については、所得税の控除を受けられるケースがあります。自己資金でマイホームを取得、リフォームされた方はご注意ください。

2015年の住宅借入金等特別控除の一覧

区分 借入限度額 控除率 控除期間 各年の控除額 最大控除額
住宅の取得等 一般住宅 4,000万円 1% 10年 40万円 400万円
認定住宅 5,000万円 1% 10年 50万円 500万円
住宅の増改築等 特定増改築等 250万円 2% 5年 12.5万円 62.5万円
その他 750万円 1%

贈与税

(1)住宅取得資金贈与の非課税措置の延長
父母や祖父母など直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置について、一定の見直しの上、適用期限が2019年(平成31年)6月30日まで延長されました。2015年(平成27年)中に家屋の新築等の契約をした場合の非課税限度額は、省エネ等住宅が1,500万円、それ以外の住宅が1,000万円です。
(2)暦年贈与にかかる贈与税の税率構造の見直し
最高税率を相続税に合わせて引き上げる一方、子や孫等が直系尊属から贈与を受けた場合の税率構造が緩和されました。
(3)相続時精算課税制度の適用範囲を拡大
贈与者が60歳以上の父母または祖父母(改正前65歳以上の父母)となり、贈与を受ける受贈者の範囲に新たに20歳以上の孫が加わりました。
(4)結婚・子育て資金一括贈与の非課税措置を創設
個人(20歳以上50歳未満)の結婚・子育て資金の支払いに充てるために直系尊属が一定の方法により行う贈与については、1,000万円(結婚に際して支出する費用については300万円)まで贈与税が非課税となります。この贈与の特例は、暦年贈与基礎控除・相続時精算課税制度・住宅取得等資金非課税贈与・教育資金一括贈与との併用が可能です。
(5)教育資金一括贈与の非課税措置の延長
直系尊属から30歳未満の孫等へ教育資金を贈与した場合、1,500万円まで贈与税が非課税となる非課税措置が2019年(平成31年)3月31日まで延長され、適用対象となる教育資金の範囲が拡大されました。
※(1)(2)(3)は2015年(平成27年)1月1日より、(4)(5)は2015年(平成27年)4月1日より適用。

2016年以降の注目点

(1)財産債務明細書の見直し
所得税・相続税の申告の適正性を確保する観点から、従来の「財産債務明細書」を見直し、新たに「財産債務調書」として整備されます。これに伴い、提出基準や記載事項も見直されます。法施行後の最初の「財産債務調書」の提出期限は2016年(平成28年)3月15日となります。
(2)社会保障・税番号制度の導入
2016年(平成28年)1月1日より、社会保障・税・災害対策の行政手続きにマイナンバーが導入されます。年金・雇用保険・医療保険の手続き、生活保護・児童手当などの福祉の給付、確定申告などの税の手続きで、申請書等にマイナンバーの記載が必要になります。
(3)マイナンバーが付された預貯金情報の利用
2018年(平成30年)からの実施を目標に、銀行等に対して口座番号にマイナンバーを付し、マイナンバーによって検索できる状態で預貯金情報を管理する義務を課す法改正がなされました。この改正により、社会保障給付や預金保険等の事務において、マイナンバーが付された預貯金情報の提供を求めることができることとされました。


プロフィール

平塚 裕章氏 近影

平塚 裕章(ひらつか ひろあき)

大阪市立大学卒業後、民間企業を経て、35歳で会計事務所に入所。2008年4月、平塚裕章税理士事務所を開業。生まれ育った東大阪を拠点に、顧客企業や賃貸住宅オーナーさまの身近なパートナーとして、さまざまなお悩みに最適なソリューションを提供しています。TKC全国会 創業・経営革新アドバイザー。

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