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将来の相続に備え今やっておきたい節税対策

税金

税理士 / 杉井 克彦

このコラムの内容は、2015年(平成27年)5月現在のものです。

ご存知のように、2015年(平成27年)以後に発生する相続から、税制改正が適用されます。
今回の改正が大きな話題になっているのは、下表「改正前と改正後の相続税の比較」のように相続の発生時期が2014年(平成26年)末までなら課税対象にならなかった方にも、相続税が発生するからです。
「私たちの家には相続税は関係ない!」と思い込んでおられるご家庭は注意が必要です。
今回は、今すぐにできる生前贈与による対策から、不動産を有効に活用する対策まで、相続税対策の基本的な方法について幅広くご紹介します。

課税対象となる相続財産を減らす生前贈与による対策

生前贈与の代表的な方法に、「暦年贈与」があります。贈与税は、その年の1月1日から12月31日までの1年間(暦年)に贈与を受けた金額を合計し、そこから基礎控除の110万円を差し引いて計算します。つまり、1年間に贈与を受けた額が、1人あたり110万円までなら、贈与税はかからないのです。

相続財産の総額によっては、110万円の基礎控除にこだわらず、少額の贈与税がかかっても、200〜300万円程度の暦年贈与を考えるほうが有利なケースもあります。

暦年贈与を行う場合は、その都度、必ず「贈与契約書」を作成しましょう。契約書のひな型は、インターネット上でも一般公開されています。また、住所と氏名は自筆で記入されることをお勧めします。


さまざまな贈与税の特例を利用する生前贈与

生前贈与に適した贈与税の特例には、次のようなものがあります。いずれも、要件を満たせば、一定金額まで贈与税が非課税になります。

(1)は直系尊属(父母・祖父母など)から20歳以上の子・孫などへの贈与が対象で、新築だけでなく、リフォーム資金の贈与にも適用が可能です。(2)は直系尊属から30歳未満の子・孫などへの贈与、(3)は直系尊属から20歳以上50歳未満の子・孫などへの贈与、(5)は60歳以上の親・祖父母から20歳以上の子・孫への贈与が対象となります。(4)は婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用不動産(またはそれを取得するための金銭)の贈与を行う場合に適用されます。

なお、(1)〜(4)の特例は、暦年贈与との併用が可能です。

改正前と改正後の相続税の比較

改正前と改正後の相続税の比較

法定相続人 課税財産 相続税額
改正前 改正後
配偶者+子ども2人 7,000万円 0円 約112万円
8,000万円 0円 約175万円
子ども2人 5,000万円 0円 約180万円
6,000万円 0円 約180万円
7,000万円 0円 約320万円

※法定相続分での配偶者の税額軽減適用後の計算


生命保険を活用した対策は契約形態に注意

生命保険の契約形態(例)

生命保険の契約形態(例)

契約者 被保険者 保険料負担者 保険金の受取人
妻または子

右表のような契約形態の生命保険に加入して、相続が発生した場合、[500万円×法定相続人の数]の金額まで非課税となります。

例えば、お父さまが一時払いの生命保険を契約していて、法定相続人が妻と子ども2人のケースでは、相続税の計算上、1,500万円(500万円×3人)の金額まで控除されることになります。

つまり、1,500万円の預貯金等が実質、無税扱いになる計算です。最近では、簡単な告知で加入できる生命保険もあり、持病をお持ちの方には朗報です。


不動産を活用した相続税対策はここがポイント

相続税対策として即効性のある、究極の対策と言えば、ローンの利用です。相続時のローンの残高は、相続財産から控除することができます。今はまれに見る超低金利ということもあり、土地を所有されている資産家の方にとっては、ローンで賃貸住宅を建てるのが、相続税対策の有効な選択肢となっています。

しかし、中には「多額のローンを抱えるのは不安」という方もいらっしゃいます。そういう場合は、自己資金で賃貸住宅を建築する方法もあります。

単純計算では、手持ち資金を建築費に充当すれば、相続税の評価額は建築費の約50%程度に下がります。なぜなら、建物は固定資産税評価で計算される上に、賃貸住宅の場合はさらに貸家の評価減があるからです。賃貸住宅による対策は、仮にローンがなくても、相続財産の評価を圧縮できる効果があります。

相続税対策実例

二代、三代にわたる資産継承を視野に入れ、約3,800m² の土地に10棟の賃貸住宅を建築。大規模な相続税対策、経営開始後のリスク対策、地域の環境整備というオーナーニーズを総合的に盛り込んだ土地活用を実現しました。

実例について、詳しくはこちら


プロフィール

杉井 克彦氏 近影

杉井 克彦(すぎい かつひこ)

税理士法人 杉井総合会計事務所 代表社員税理士、株式会社ライフ プランニング コンサルタンツ 代表取締役。 1991年に税理士登録、95年にNPO法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会CFP®登録。現在、関与先約400件をはじめ、個人・法人を問わず幅広い分野でコンサルティングを行う。著書に「トップ会計人13のコンサルティング」(清文社発行 共著)がある。

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