賃貸住宅経営・土地活用 TOP > 役立つ専門家コラム TOP > 税金(2015年4月号)2015年度の税制改正の注目ポイントは?

2015年度の税制改正の注目ポイントは?

税金

税理士 / 栗原 隆

このコラムの内容は、2015年(平成27年)4月現在のものです。

2015年度(平成27年度)の税制改正大綱が閣議決定されました。国会で可決されて成立となります。
今回の税制改正大綱では、若い世代へ資産を移す動きを促進するため、新たな非課税制度が創設されるなど、贈与税の非課税枠が拡充されています。
2015年(平成27年)から相続税の課税が強化される中、相続税対策の有効な手段として不動産の有効活用とともに、生前贈与が注目されます。
土地オーナーや個人資産家の皆さまに関心が高いと思われる主な改正のポイントをご紹介します。

住宅取得資金の贈与を受けた場合の非課税措置を拡充

20歳以上の子や孫が、父母や祖父母などの直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置が、下表のように拡充されます。

住宅取得資金贈与の非課税枠のイメージ非課税金額が変則的なのは、2017年(平成29年)4月から消費税率が10%に引き上げられるためです。

建築請負工事等には経過措置があり、2016年(平成28年)9月までに契約すれば、完成引渡しが2017年(平成29年)4月以降でも税率8%が適用されるため、駆け込み需要が予想されます。その反動で2016年(平成28年)10月以降の契約がパッタリ止まっては景気に悪影響を及ぼすため、そのタイミングで非課税枠を一気に3,000万円(または2,500万円)に引き上げて需要を喚起し、その後、徐々に縮小していく仕組みになっています。

また、2016年(平成28年)9月以前に下表「(2)の非課税措置」を受けた人でも、「(1)消費税率10%」枠でもう一度適用を受けることができます。

住宅家屋の取得等にかかる
契約の締結期間
(1)消費税率10%適用の場合 (2)左記以外の場合
※良質な住宅 左記以外の住宅 ※良質な住宅 左記以外の住宅
2015年1月〜12月 1,500万円 1,000万円
2016年1月〜9月 1,200万円 700万円
2016年10月〜2017年9月 3,000万円 2,500万円
2017年10月〜2018年9月 1,500万円 1,000万円 1,000万円 500万円
2018年10月〜2019年6月 1,200万円 700万円 800万円 300万円

※良質な住宅とは、(1)耐震住宅 (2)エコ住宅 (3)バリアフリー住宅のことをいいます。


結婚・出産・子育て資金贈与の非課税措置を創設

2013年(平成25年)に創設された教育資金一括贈与の非課税措置に加え、新たに20歳以上50歳未満の子や孫を対象とした結婚・出産・子育て資金一括贈与の非課税措置が創設されます。詳細は下表の通りで、いずれも金融機関に信託口座をつくって利用します。

また、適用期限が延長された教育資金一括贈与の非課税措置は、通学定期代や留学渡航費などが教育資金の対象に追加されます。

非課税措置 対象 非課税枠 贈与期間
教育資金一括贈与 30歳未満の子・孫・ひ孫 1人あたり1,500万円
2019年3月まで延長
結婚・出産・子育て資金一括贈与 20歳以上50歳未満の子・孫 1人あたり1,000万円※ 2015年4月〜2019年3月

※結婚費用は300万円まで


特定事業用資産の買換特例を縮小して延長

10年超保有する事業用資産(土地等)を譲渡して、新たに国内にある事業用資産を取得した場合(買換)、譲渡した事業用資産の譲渡益の80%について、課税の繰り延べを認める特例措置が、一部見直しの上、2017年(平成29年)3月まで延長されます。


少額投資非課税制度が拡充 ジュニアNISAも新設

少額投資非課税制度(NISA)は、株式や投資信託などの配当や譲渡益が最長5年間、非課税になる制度です。その年間上限投資額が100万円から120万円に引き上げられ、2016年(平成28年)分より適用されます。

また、20歳未満の未成年者を対象としたジュニアNISAが創設され、2016年(平成28年)からスタートします。原則として、祖父母や両親が孫や子の代理で口座を開いて運用し、年間投資限度額80万円(最長5年間で合計400万円)まで配当や譲渡益が非課税となります。

投資した資金は、未成年者の将来の進学や結婚などの資金に役立てることを目的としているため、18歳までは払い戻しできないこととされています。 


空き家に対する固定資産税の軽減措置を排除

報道などでも取り上げられている危険な空き家の撤去を促すため、老朽化で倒壊などの恐れのある空き家が、固定資産税の住宅用地の特例措置(200m²以下の住宅用地の固定資産税・都市計画税を軽減)から外されます。


※記事の内容は「平成27年度税制改正大綱」(閣議決定版)に基づいています。国会の審議を経て成立となりますが、場合によっては内容が変更になる可能性もありますのでご注意ください。


プロフィール

栗原 隆氏 近影

栗原 隆(くりはら たかし)

税理士法人・四谷会計事務所 パートナー税理士。世界有数の会計事務所であるデロイト・ハスキンズ会計事務所に勤務後、四谷会計事務所にて相続や不動産の譲渡・買換えなど資産税を中心に担当する。中小企業経営者や不動産賃貸経営者のよきアドバイザー。著書に「知って得するやさしい税金」(鳳書院・共著)がある。CFP®、1級FP技能士、マンション管理士、宅地建物取引士の資格をもつ。

新・土地オーナーサポートシステム NEOS
資料請求はこちら
土地活用のご相談はこちら
事業計画提案(無料をご希望の方はこちら
ページの先頭に戻る