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2014年分の確定申告のポイント

税金

税理士 / 下河内 寿美子

このコラムの内容は、2014年(平成26年)12月現在のものです。

●所得税の申告期間
2015年(平成27年)2月16日(月)〜3月16日(月)
※還付申告は2015年2月13日(金)以前でも可
●個人事業者の消費税の申告期限
2015年(平成27年)3月31日(火)
●贈与税の申告期間
2015年(平成27年)2月2日(月)〜3月16日(月)

2014年(平成26年)も12月を迎え、そろそろ確定申告の準備の時期が近づいてきました。
2014年分(平成26年分)の確定申告の申告期間は右の通り。
それぞれ申告期間が微妙に異なりますのでご注意ください。
2014年(平成26年)は消費税率の引き上げ、白色申告者への帳簿等保存の義務付け、NISAのスタートなど、注目すべき改正がたくさんありました。
賃貸住宅オーナーや個人資産家の皆さまにとって、注意したいポイントを解説します。

不動産貸付けにおける消費税の注意点

皆さまご周知の通り、2014年(平成26年)4月1日より消費税率が5%から8%に引き上げられました。
不動産貸付けについては、土地の貸付けや住宅のの貸付け※1は非課税となります。また、駐車場の貸付けは、次の2つの条件に該当する場合は、住宅と一体となった貸付けとみなされ、非課税となります。

  1. 1戸当たり1台分以上の駐車スペースが確保されており、かつ自動車の保有の有無にかかわらず割り当てられている等の場合
  2. 家賃とは別に駐車場使用料等を収受していない場合

上記以外の駐車場やテナントなどの貸付けをされている場合、消費税の免税点を超えると納税義務者となります。消費税の免税点制度とは、その課税期間にかかる基準期間(個人事業者の場合はその年の前々年)の課税売上高が1,000万円以下の場合※2は、納税義務が免除されるというものです。

不動産貸付け等で消費税の納税義務者の方は、税率引き上げに伴い2014年分より申告書の様式が変更になっていますのでご注意ください。 また、2015年(平成27年)から簡易課税制度のみなし仕入れ率が改正され、不動産貸付け業の方は新たに設けられた第6種事業となります。簡易課税制度をご利用の方は、みなし仕入率が現行の50%から40%に引き下げられますのでご注意ください。

※1 いずれも1カ月未満の一時貸付けを除く

※2 2013年(平成25年)から、基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても、特定期間(個人事業者の場合はその年の前年の1月1日から6月30日までの期間)における課税売上高もしくは給与等支払額の合計額が1,000万円を超えた場合、当課税期間においては課税事業者となります。


白色申告の方も帳簿書類等の保存が義務付けられました

2014年(平成26年)1月から記帳・帳簿等の保存制度の対象者が拡大され、事業所得・不動産所得・山林所得が生じる業務を行う方すべてに(所得税の申告の必要がない方も含め)、記帳と帳簿書類の保存が必要となりました。保存が必要な帳簿書類は右表の通りです。

保存が必要なもの 保存期間
帳簿 収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿) 7年
業務に関して作成した上記以外の帳簿(任意帳簿)
5年
書類 決算に関して作成した棚卸表その他の書類 5年
業務に関して作成または受領した請求書、納品書、送り状、領収書などの書類

個人投資家のための税制優遇制度NISAがスタートしました

NISA(少額投資非課税制度)が、2014年(平成26年)1月より施行されました。NISAでは毎年100万円の非課税投資枠が設定され、株式投資信託・上場株式等の配当・譲渡益等が非課税対象となります。

なお、NISA口座の取引については、確定申告の必要はありません。


ゴルフ会員権等を譲渡した場合の取り扱いが変わります

ゴルフ会員権等を売却したときの譲渡所得は、事業所得や給与所得など、他の所得と合わせて総合課税の対象となります。よって、従来はゴルフ会員権等を売却したことにより生じた損失は、他の所得と「損益通算」することができました。しかし、2014年(平成26年)度税制改正で「生活に通常必要ない資産」の範囲にゴルフ会員権等が加えられ、2014年(平成26年)4月1日以後に行う譲渡から損益通算ができなくなりました。


消費税率引き上げと同時に住宅ローン減税が拡充

2014年中(平成26年中)に新居に入居された方の住宅借入金等特別控除は、消費税率引き上げに伴う一時の税負担の増加による影響を平準化し、緩和する観点から、入居時期が3月までと4月以降で、限度額・控除額に違いがありますのでご注意ください。

特定増改築等(バリアフリー改修工事や省エネ改修工事を含む増改築等)と併せてリフォームを行った場合の住宅借入金等特別控除も、同様に入居時期によって限度額・控除額に違いがあります。
ローンの利用がなくても、一定のバリアフリー改修工事や省エネ改修工事等については所得税の控除を受けられる場合があります。この制度も2014年(平成26年)4月から拡充されていますので、自己資金でリフォームをされた方はご注意ください。
なお、2014年(平成26年)に父母・祖父母などの直系尊属から住宅取得資金の贈与を受けた場合の非課税限度額は、「省エネ等住宅」1,000万円、「それ以外の住宅」500万円です。贈与税の非課税措置は、上記のローン減税と併用して適用を受けることができます。

居住年 2014年1月〜3月 2014年4月〜12月
控除期間 10年 10年
借入限度額 2,000万円
(3,000万円)
4,000万円
(5,000万円)
控除率 1.0% 1.0%
住民税控除上限額 97,500円 136,500円
年間最大控除額 20万円(30万円) 40万円(50万円)
累計最大控除額 200万円(300万円) 400万円(500万円)

※カッコ内は、認定住宅の場合です


プロフィール

下河内 寿美子氏 近影

下河内 寿美子(しもかわち すみこ)

TKC全国会 会員・下河内邦彦税理士事務所のパートナー税理士。1985年 税理士試験合格、1987年 税理士登録。1985年より所長とともに下河内会計事務所の運営に携わる。主に相続・贈与・譲渡などの資産税を担当。近畿税理士会、TKC南近畿会所属。

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