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2014年度の税制改正はどうなる?

税金

税理士 / 栗原 隆

このコラムの内容は、2014年(平成26年)4月現在のものです。

2014年(平成26年)度の税制改正大綱が、昨年(平成25年)12月24日に閣議決定されました。国会で可決されて成立となります。改正のポイントとしては、デフレ脱却・経済再生への流れが消費税率の引き上げによって押し戻されないように、投資減税・所得拡大などの措置がとられること。復興法人税が1年前倒しで廃止となること。税制抜本改革を着実に実施するための措置や震災からの復興を支援する税制上の措置がとられることなどがあげられます。

今回は、賃貸住宅オーナーさまに関心が高いと思われる改正点を中心に解説します。

相続財産にかかる譲渡所得の課税特例の見直し

相続税を支払うため、その相続財産の一部を売却して納税資金にあてるケースがあります。しかし、売却すれば譲渡益に税金がかかります。それでは課税が続いて厳しいということで、相続税申告書の提出期限から3年以内に相続財産を譲渡したときには、その相続税のうち一定の金額が、譲渡所得の計算上「取得費」に加算され、税金が安く計算される特例(相続税の取得費加算)があります。

地価高騰で相続税負担が急激に増加した1993年(平成5年)に、相続した「すべての土地等」に対応する相続税が取得費の加算対象になるように改正され、税負担が大きく緩和されましたが、今回の税制改正では「譲渡した土地等」に対応する相続税のみが取得費の加算対象になるように変更されます。

つまり、現行税制では売却した土地に対応する相続税だけでなく、他の売却しない土地に対応する相続税も売却した土地の取得費に加算できますが、改正後は実際に売却した土地に対応する相続税しか取得費に加算できないため、譲渡税の負担が多くなります。

この改正は、2015年(平成27年)1月1日以後に開始する相続または遺贈により取得した資産を譲渡する場合について適用されます。

取得費加算金額の計算式
改正前譲渡した人の納付すべき相続額xすべての土地等の相続税の課税価格/その人の相続税の課税価格
改正後譲渡した人の納付すべき相続額x譲渡した土地等の相続税の課税価格/その人の相続税の課税価格

消費税の簡易課税制度における「みなし仕入率」の見直し

消費税の簡易課税制度においては、事業形態により第一種から第五種までの5つの事業に区分され、それぞれの事業の課税売上高に対してみなし仕入率を適用して仕入控除税額を計算します。

不動産業は第五種事業で、みなし仕入れ率は50%となっているのに対して、実際の仕入率は41.8%しかなく、大きな隔たりがあることが会計検査院から指摘されていました。

そこでみなし仕入率を50%から40%に引き下げる改正が、2015年(平成27年)4月1日以後に開始する課税期間について適用されることになります。個人事業であれば2016年(平成28年)分からの適用となります。

例えば、貸店舗収入や駐車場収入が年間2,000万円あるオーナーさまの消費税額は、将来の消費税率10%で計算すると、100万円から120万円にアップすることになります。

特定居住用財産等の買い換えの特例を延長

特定の住居用財産の買い換えおよび交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例について、譲渡資産の譲渡対価にかかる要件を1億円(現行1.5億円)に引き下げた上で、その適用期限が2015年(平成27年)12月31日まで延長されます。

この改正は2014年(平成26年)1月1日以後の居住用財産の譲渡について適用されます。

給与所得控除の段階的な上限引き下げ

給与所得控除については、給与所得者の必要経費(勤務関係経費と考えられる支出額)に比しても、主要国の水準に比しても、過大で水準の適正化が必要との意見があり、改正されることになりました。

上限が適用される給与収入給与所得控除の上限額
改正前1,500万円245万円
2016年分※11,200万円230万円
2017年分※21,000万円220万円

※1.個人住民税は2017年度分について適用

※2.個人住民税は2018年度分から適用>


その他の改正ポイント


プロフィール

栗原 隆氏 近影

栗原 隆(くりはら たかし)

税理士法人・四谷会計事務所 パートナー税理士。世界有数の会計事務所であるデロイト・ハスキンズ会計事務所に勤務後、四谷会計事務所にて相続や不動産の譲渡・買換えなど資産税を中心に担当する。中小企業経営者や不動産賃貸経営者のよきアドバイザー。著書に「知って得するやさしい税金」(鳳書院・共著)がある。CFP®、1級FP技能士、マンション管理士、宅地建物取引士の資格をもつ。

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