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賃貸併用住宅のローンと税金について

税金

税理士 / 稲場 広宣

このコラムの内容は、2012年(平成24年)3月現在のものです。

都市で人気の賃貸併用住宅そのメリットとは?

自宅と賃貸住宅を組み合わせる賃貸併用住宅は、

  1. 家賃収入でローンの返済ができる。
  2. サラリーマンでも大家さんになれる。
  3. 相続税・所得税・固定資産税等の節税ができる。

などの理由から、都市部を中心に、高い人気を集めています。また、賃貸併用住宅のローンは、自宅部分が住宅ローン控除の対象となり、賃貸部分はローンの利息が不動産所得の必要経費になるという税制上のメリットが受けられるのも魅力の一つです。

今回は、住宅ローン控除を受けるための注意点や、必要経費にできるローン利息の計算方法などを解説します。

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住宅ローン控除で注意したい3つのポイント

賃貸併用住宅の新築時にご相談が多い3点について説明します。なお、住宅ローン控除の詳しい適用要件等は別途確認をしてください。

住宅ローンの種類

新築にあたっては、金融機関の各種ローン商品の中から、建築計画の条件に合ったものを選択することになると思います。しかし、例えばアパートローンなどの事業用ローンには、住宅ローン控除の対象にならないものもあります。申込時に住宅ローン控除が受けられる商品かどうかをよく確認してください。

ただし、ローン控除の対象外の商品でも、借入限度額や金利などが有利な商品であれば、ローン控除を諦めてもそちらを選択するということも考えられます。この場合は慎重な判断が必要です。

床面積基準

住宅ローン控除を受けるためには、賃貸併用住宅の建物全体の床面積のうち、2分の1以上に相当する部分が自宅(その人の居住用)という条件があります。2分の1未満の場合には、分譲マンションのように区分登記という方法で、自宅部分を独立した建物として登記をすればこの条件はクリアできます。

区分登記をするためには、建物の構造上の一定の条件があります。大型物件であるほど賃貸部分が大きく、自宅部分の割合が小さくなる傾向にあるため、この床面積基準は要注意です。区分登記が可能な構造かどうかを事前に確認してください。

不動産の売却前後は要注意

住宅ローン控除は、新築して居住を開始した年分から適用を受けることができますが、その前後に自宅(居住用不動産)などを譲渡して、譲渡所得税の特例の適用を受けている場合には、控除を受けられないことがあります。

例えば次のような場合です。

  1. 居住した年とその前年または前々年に、「居住用財産の3,000万円控除」「居住用財産の軽減税率」 「居住用財産の買換特例」などを受けている場合。
  2. 居住した年の翌年または翌々年に、従前の自宅(居住用不動産)を譲渡して、(1)の特例を受ける場合。

上記の(1)(2)に該当する場合は、住宅ローン控除はいっさい受けられません。また、その年の合計所得金額が3,000万円を超えている場合は、その年だけ控除が受けられません。なお、「住宅の買換えによる損失の繰越控除等」や「住宅の譲渡損失の繰越控除等」の特例などは、住宅ローン控除と重複して適用することができます。

必要経費にできるローン利息の計算方法

賃貸併用住宅の自宅部分のローンが住宅ローン控除の対象になる一方で、賃貸部分のローンの利息は、不動産所得の計算上、賃貸収入から控除する必要経費になります。

自宅部分と賃貸部分が一体のローン契約の場合には、ローンの利息を建物の床面積の比率など合理的な方法で按分計算して、必要経費に計上する賃貸部分のローン利息を計算します。一体型のローンの場合には、住宅ローン控除の計算時にも、床面積の比率で自宅部分を計算します。比率の計算上、自宅部分の裏返しが賃貸部分になります。合わせて100%になるように注意して下さい。

この賃貸併用住宅の賃貸事業に使用している部分の割合を、事業供用割合(貸付割合)といいます。ローン利息の他にも、土地・建物の固定資産税、損害保険料、減価償却費など、自宅と賃貸共通の経費についてはこの事業供用割合を利用して按分計算を行い、必要経費に計上します。

なお、按分計算の方法は、経費の内容に応じて他にも合理的な方法が考えられます。詳しくは専門家にご相談ください。

床面積による事業供用割合の計算例



プロフィール

稲場 広宣氏 近影

稲場 広宣(いなば  ひろのぶ)

税理士法人・四谷会計事務所 パートナー税理士。1985年、東洋信託銀行(現 三菱UFJ信託銀行)に入行。多忙な銀行業務の中、6年間で税理士試験に合格。金融資産運用・ローン・遺言信託などのコンサルティング、銀行経理・税務の担当など幅広い業務を経験後退職。現在、四谷会計事務所パートナーとして税務全般の業務を担当。特に不動産税務を中心とした資産税に豊富な経験実績があり、自らもアパートオーナーとして地主・オーナーと同じ視点で考える不動産の有効活用、賃貸経営の法人化、所得税・相続税の節税対策などに定評がある。パナホームの各種セミナー、研修会等の担当講師としても活躍。

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