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賃貸併用住宅の魅力と留意点

税金

公認会計士・税理士 / 金田一 広幸

このコラムの内容は、2010年(平成22年)10月現在のものです。

都市部にある資産価値の高い土地の有効活用法として近年、注目を集めているのが賃貸併用住宅です。
マイホーム・賃貸住宅部分それぞれに、税務上のメリットがあります。
今回は、その魅力とともに注意すべきポイントをご紹介します。

一つの敷地で実現するマイホームと賃貸住宅経営

多くの方は住宅ローンを利用してマイホームを購入します。マイホームは、それ自体で収入を生み出すことはありませんから、ローンの返済原資は別に用意する必要があります。

一方、賃貸住宅はそれ自体で収入を生み出します。賃貸住宅の家賃収入が別にあって、これをマイホームの住宅ローンの支払いに充てられたとしたら、ローンの返済はぐっと楽になるはずです。しかしそのためには、マイホームと賃貸住宅それぞれの土地が必要となり、多くの方には困難です。でも、1か所の土地にマイホームと賃貸住宅の両方を建築できるとしたら、話は別です。

マイホームと賃貸住宅が一つの土地の上に一体となって建築されたものを、「賃貸併用住宅」と言います。建築技術の発達と住まいに対する考え方の多様化も普及への後押しとなりました。賃貸住宅の家賃収入で住宅ローンをまかなうことが、現実的なものとなったのです。

特に近年では、先行きの不透明感から、住宅ローンを抱えることに不安を感じる人が少なくありません。賃貸併用住宅はこの不安を軽減する効果があり、人気が上昇しています。

マイホーム部分に適用する住宅ローン控除のポイント

一つの土地の上に用途の混在する建物1棟を建築した場合、マイホーム部分にはマイホームの税制が、賃貸住宅部分には賃貸住宅の税制が適用されます。

典型的なものが所得税です。マイホーム部分の建築に要した借入金については、一定の条件を満たすことによって「住宅借入金等特別控除」、いわゆる住宅ローン控除が適用可能です。ただし、賃貸併用住宅の場合、1棟の建物のうち「床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供するものであること」という、居住割合に関する条件がありますので注意が必要です。

たとえば、3階建の賃貸併用住宅で各階の床面積が同じ建物の場合、3階部分だけがマイホームだと居住割合は床面積の2分の1を下回ることになりますので、住宅ローン控除の適用条件を満たしません。このような場合には、マイホーム部分を区分所有として登記し、賃貸住宅部分と明確に分けることが大切です。そうすれば、建物全体ではなく、区分登記した部分で居住割合を計算することができます。

住宅ローン控除の適用条件

賃貸住宅部分の経費は家賃収入から控除できます

一方、賃貸住宅部分に係るローンについては、その利息が必要経費となります。ローンの利息だけではなく、建物の減価償却費、固定資産税なども必要経費となります。このように、賃貸住宅部分にかかった経費は、家賃収入から控除して毎年確定申告することになります。賃貸住宅など、不動産の賃貸から生じる所得を「不動産所得」といいますが、もしこれが赤字であった場合には給料などの収入と相殺することができますので、場合によっては給料から源泉徴収された所得税の還付が受けられることもあります。

賃貸住宅の家賃収入でマイホームの住宅ローンも含めた借入金の返済をし、住宅ローン控除といった優遇税制も享受した上で、場合によっては源泉所得税の還付も受けられる――それが、賃貸併用住宅の大きな魅力です。

しかし、賃貸経営である以上、事業としての採算性があることが前提になります。立地条件や将来性、家賃相場や維持コストなど、経営的な観点をしっかり踏まえて計画することが何よりも大切です。

2010年度税制改正の注意点

今年度の税制改正で、賃貸併用住宅にも関連する改正がありました。「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」の適用の厳格化です。

相続が発生し、遺産の中に亡くなった人が自宅としていた賃貸併用住宅がある場合、従来はその敷地のうち240uまでの部分について、賃貸住宅の敷地とされる部分も含め、一定要件を満たすことを条件に最大で8割の評価額を減じることができました。

しかし、今回の改正で、2010年(平成22年)4月1日以降の相続により取得する賃貸併用住宅の敷地については、建物の床面積を基準にマイホーム部分と賃貸住宅部分に按分し、マイホーム部分については従来の8割減を維持し、賃貸住宅部分については5割の減額にとどめることになりました。

適用できる敷地面積の限度計算などは複雑です。具体的な適用に際しては専門家に相談されるのがよいでしょう。


プロフィール

金田一 広幸氏 近影

金田一 広幸(きんだいち ひろゆき)

1986年(昭和61年)に公認会計士試験に合格して以来、外資系会計事務所(現監査法人トーマツ)において総合商社、金融機関などの専門業種の会計監査に従事。その後、資産税等にも活躍の場を広げ、2003年(平成15年)に金田一会計事務所を開業。財務と税務の専門家として、不動産オーナー、企業オーナーの相続税・資産税対策を多数扱っている。


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