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2010年度税制改正のポイント

税金

税理士 / 栗原 隆

このコラムの内容は、2010年(平成22年)3月現在のものです。

新年度の税制改正は、民主党政権によるはじめての税制改正作業であり、その内容が注目されましたが、昨年末ぎりぎりに「税制改正大綱」が閣議決定され、国会で可決されて成立となります。今回は土地住宅税制を中心に、おもな改正予定点について解説します。

相続税関係税制 小規模宅地特例の見直し

相続税の大きな特例の一つである小規模宅地等について、相続人等による「事業・居住の継続」が重視されることになります。

  1. 相続人等が事業または居住を継続しない宅地等は適用対象から除外。
    (従来は200㎡まで50%減額)
  2. 一つの宅地等について共同相続があった場合には、取得者ごとに適用要件を判定。
    (従来は一人でも要件を充足していれば全体に適用可能)
  3. マンションのような一棟の建物の敷地について、特定居住用宅地等に該当する部分とそれ以外の部分に按分して計算。
    (従来は一部分でも要件を充足していれば全体に適用できたが、軽減割合が絞り込まれる)

上記の改正は、2010年(平成22年)4月1日以後の相続または遺贈により取得する小規模宅地等に係る相続税について適用されます。

個人所得税制 所得控除の削減と拡大

子ども手当て導入による扶養控除の削減

子ども手当て制度等の創設にともない、子ども手当てが受給される年少者(0歳〜15歳)にかかる扶養控除(38万円)が廃止となります。また、特定扶養控除(16歳〜22歳)では、高校の実質無償化で恩恵を受ける16歳以上19歳未満にかかる扶養控除額について、国税分が<63万円→38万円>、地方税分が<45万円→33万円>に圧縮されます。なお、その他の部分の扶養控除については現状のままとなりました。

所得税の扶養控除はこう変わる!

小規模企業共済制度の加入対象者拡大

小規模企業共済制度はいわば個人事業主等の退職金積立制度で、掛け金は全額所得控除となり、事業の廃止や契約者の退職・死亡時などに共済金を受け取ることができます。その加入対象者が、配偶者や後継者などの共同経営者まで拡大されます。

住宅・土地関連税制 住宅に関する贈与と特例

住宅取得等資金の贈与の非課税枠が拡大

昨年6月の追加経済対策で設けられた住宅取得資金贈与の500万円の非課税特例が、大幅に拡充されます。親や祖父母などの直系尊属から住宅購入や増改築費用にあてるために資金の贈与を受けた場合、基礎控除に以下の非課税枠が上積みされます。

  1. 2010年(平成22年)中に贈与を受けた人は1,500万円まで
  2. 2011年(平成23年)中に贈与を受けた人は1,000万円まで

ただし、贈与を受ける子や孫の合計所得金額が2,000万円以下であることが条件になります。

マイホームの買換え特例等は2年間延長

「特定の居住用財産の買換えおよび交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例」が、譲渡資産にかかる対価を2億円以下とする要件を追加した上で、適用期限が延長されます。また、特定の居住用財産を買換えまたは譲渡等して赤字がでた場合、その赤字(ケースによっては一定金額)を不動産所得や譲渡所得などから差引計算(損益通算)し、引ききれない場合にはその後3年間にわたって繰越控除ができる規定も、同様に延長されます。

法人税・消費税 賃貸住宅オーナーの留意点

特殊支配同族会社の役員給与

「特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度の廃止」が、2010年(平成22年)4月1日以後に終了する事業年度から廃止となります。不動産管理会社を経営するオーナーさまにとっては朗報です。しかしながら、注目されていた中小企業に対する法人税率の引き下げについては見送りになりました。

賃貸住宅等の取得にかかる消費税還付に制限

いわゆる「自動販売機の設置」により、賃貸住宅の建築時において消費税の還付を受ける節税手法に「待った」がかかることになります。もともと消費税法では、建物などの高額の固定資産(調整対象固定資産)を取得した場合には、取得から3年経過する時点で課税売上割合を再チェックし、取得時点での課税売上割合と大きなブレがあった場合には、一定の再調整をしましょうという規定がありました。従来の制度では、取得から2年経過した時点で課税事業者をやめて免税事業者に戻ってしまえば、この再調整を受けないで済んだのですが、改正後は課税事業者でいなければならない期間を3年に強制することで、このような逃げ切りが排除されることになります。ちなみに、簡易課税に切り替えるという方法も同様に排除されることになります。


プロフィール

栗原 隆氏 近影

栗原 隆(くりはら たかし)

税理士法人・四谷会計事務所 パートナー税理士。世界有数の会計事務所であるデロイト・ハスキンズ会計事務所に勤務後、四谷会計事務所にて相続や不動産の譲渡・買換えなど資産税を中心に担当する。中小企業経営者や不動産賃貸経営者のよきアドバイザー。著書に「知って得するやさしい税金」(鳳書院・共著)がある。CFP®、1級FP技能士、マンション管理士、宅地建物取引士の資格をもつ。

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