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不動産管理会社の活用法

税金

公認会計士 / 深代勝美

このコラムの内容は、2008年(平成20年)6月現在のものです。

賃貸住宅や駐車場などを経営している地主さんが、不動産管理会社を設立する主な目的は、所得税の節税にあります。また、相続税の節税やスムーズな事業承継という面でも、会社にすることによって大きなメリットがあると考えられます。そこで今回は、不動産管理会社を設立するメリットについてまとめてみました。

不動産管理会社設立の3つのメリット

所得税対策として実際によく行われているのは、妻や子供を役員や従業員として不動産管理会社を設立し、その会社に地主さん(Aさん)が家賃の一定割合を管理料として支払うことにより、Aさんひとりに集中している所得を、給与として家族に分散させるというものです。所得税は累進課税ですから、所得を分散させれば税率を引き下げることができます。さらに、給与をもらった家族はそれぞれ給与所得控除を受けられますから、全体で見るとダブルの節税効果となるわけです。

ここまでは一般の本などでもよく紹介されていますが、不動産管理会社を設立することによる大きなメリットは、むしろ相続税対策にあると考えられます。例えば、不動産管理会社から子供が受け取る年間給与が300万円とすると、Aさんは自分の所得税を節税しながら、なおかつ相続人である子供に毎年300万円を生前贈与するのと同じ効果を得ることができます。子供が2人いれば、合わせて年間600万円、10年で6,000万円です。仮にAさんの相続税の税率が50%とすると、単純に考えれば3,000万円の節税効果があることになります。

また、不動産管理会社を設立して子供にも責任を持たせることによって、親子が共同で相続対策を考える土台ができます。財産について親と子が冷静に話し合うというのはなかなか難しいものですが、会社を通すことによってスムーズに事業や資産の承継ができるというのも、大きなメリットといえるでしょう。

まとめ

所得税の節税をはかる不動産管理会社の運営方式

前述したように、不動産管理会社を利用した所得税対策は、土地を所有する個人が自分の名義で賃貸物件を建築し、不動産管理会社を「経由」することによって、オーナーに偏りがちな収入を家族に分散し、節税をはかります。この場合の不動産管理会社の運営形態としては、「管理委託方式」と「転貸方式」の2つが考えられます。

(1) 管理委託方式

オーナーが不動産管理会社へ管理料を支払う方式です。具体的には、オーナーが所有する賃貸物件を賃借人(テナント)に賃貸する時に、管理会社が仲介などを行い、管理を代行することによって管理料を受領します。支払った管理料は、オーナーの不動産所得の計算上は、経費となります。一方、不動産管理会社が受け取った管理料は管理収入となります。

この方式では、不動産管理会社の業務は賃貸料の集金、清掃、借家人などのトラブルの調整等、比較的簡単な仕事であり、管理料としては家賃収入の5〜7%程度が妥当と考えられています。ただ、この方式の欠点は、管理会社の収入が少なくなること、また管理料を受け取るために不動産管理会社がどれだけの仕事をしたかが常に問題となることです。

(2) 転貸方式

オーナーがマンションを不動産管理会社に一括して賃貸し、これを不動産管理会社がさらに賃借人(テナント)に転貸する方式で、一般的には「一括借上げシステム」と呼ばれています。賃借人から受け取る家賃とオーナーへ支払う賃料との差額が、不動産管理会社の収入となるわけです。

この方式は、オーナーに家賃を保証することから、オーナーは安定した賃料収入が得られます。一方、不動産管理会社は、空室保証のリスクを負うことになります。一般にこの方式は、大手不動産管理会社が賃貸料の保証をする方法として利用されています。保証料は、地域差や保証内容にもよりますが、家賃収入の10%〜20%ぐらいが多いようです。

いずれの方式も注意点は、適正な「管理料」「転貸料」をいくらにするかです。不動産管理会社に残る金額が大きいほど、オーナーさんにとっては節税にはなりますが、その金額が経済的に合理性を持っていなければ認められません。過去の税務調査でも、30%〜50%の管理料と設定した場合には、否認されています。したがって、いずれの方式においても、一般の不動産管理会社が採用している基準を超えないようにすることがポイントになります。

まとめ



プロフィール

深代 勝美氏 近影

深代 勝美(ふかしろかつみ)

世界有数の会計事務所であるデロイト・ハスキンズ会計事務所を経て、1985年(昭和60年)に深代会計事務所を設立。相続対策や不動産管理会社の活用など、資産税を得意分野とし、豊富な実績を持つ。日本公認会計士協会東京会副会長、(独)中小企業基盤整備機構 事業承継税制検討委員など、公職多数。


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