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サービス付き高齢者向け住宅による土地活用

市場動向

税理士 / 今仲 清

このコラムの内容は、2012年(平成24年)12月現在のものです。

相続税対策としてのサービス付き高齢者向け住宅

地主の皆さんが土地の有効活用と相続税対策の一環として、サービス付き高齢者向け住宅(以下「サ高住」と表示)事業に参画されることは、地域社会の福祉事業への貢献ともなり、素晴らしいことだと思います。その場合の土地活用の手法としては、

  1. サ高住を建設して運営事業者に建物を賃貸する
  2. 土地を運営事業者に賃貸して地代を得る
  3. 自らが運営事業者としてサ高住を経営する

などがあり、相続税対策としての効果はその手法によって異なります。

相続税額引き下げ対策には建物を建築して賃貸

相続税額を引き下げるには、自己資金・借入金・またはその組み合わせによる資金でサ高住を建築し、運営事業者に賃貸する方法で高い効果を得ることができます。

例えば、1億円の土地に2億円で建築した建物を賃貸住宅として運営事業者に賃貸すると、相続税の評価額は次のようになります。

敷地の評価額

自用地価額から貸家建付地割合が控除されます。貸家建付地割合は、[その地域の借地権割合×借家権割合30%]で計算します。借地権割合が60%の地域であれば、60%×30%=18%が控除されることになり、1億円の土地が1,800万円の評価減で8,200万円の評価となります。

建物の評価額

建物の評価額は、建築価額ではなく、通常その60%前後の固定資産税評価額で評価されます。さらに、賃貸すると30%の借家権割合が控除されます。その結果、固定資産税評価額が建築価額の60%とすれば、2億円×60%×(1-30%)=8,400万円の評価額になります。

相続税対策の効果

1億円の土地と現金(建築資金)2億円の合計3億円が、8,200万円+8,400万円=1億6,600万円となり、相続税評価額を1億3,400万円減額できます。

土地を定期借地契約で運営事業者に賃貸すると

定期借地契約は、契約期間が満了すると、借地人が建築した建物を自ら取り壊し、更地にして返還するというものです。

この定期借地契約を利用して、サ高住を建築して事業を行う運営事業者に土地を賃貸する方法もあります。この場合は、人が居住する建物を建てるための貸地契約ですので、契約期間が50年以上の一般定期借地契約になります。

土地オーナーに相続が起きた場合は、その時点の契約残存期間に応じて、土地の自用地価額から定期借地権に相当する価額が控除されます。例えば、通常の借地権割合60%の地域ですと、残存期間50年の定期借地割合は40%。その後期間が経過し、契約残存期間が短くなるとともに、この割合が減少していくことになります。

土地オーナー自らが建築・運営する場合は

わずかですが、地主さん自らがサ高住を建築し、運営事業者として経営を行っているケースもあります。子や孫に介護に関する資格を取得させ、経験を積ませた上で、自らが経営するサ高住の現場責任者として育て、将来はその経営を任せるといった例も見受けられます。

この場合も、最初に紹介した「建物を建築して運営事業者に賃貸する」ケースと同じように、相続税対策上のメリットを受けることができます。

サービス付き高齢者向け住宅の補助金と優遇税制

2012年度は、規定の要件を満たし、サ高住として登録されることを条件に、下表の建設補助金が交付されました。また、補助金の交付を受け、要件を満たしたサ高住の建築主は、下表のように各種税金の減額措置を受けることができました。

政局の混迷から2013年度については現時点で未定ですが、急速に高齢化が進む中、需要の増加が見込まれるサ高住。安定した供給のためにも、補助金・税制優遇の継続が期待されます。

建設補助金

(2013年2月末日までの申請受付)

高齢者向け住宅の新築建設費の10分の1 (最大 1戸あたり100万円)
高齢者生活支援施設の新築建設費の10分の1 (最大 1施設あたり1,000万円)

※上記の高齢者生活支援施設とは、生活相談サービス窓口、食事サービス施設、介護関連施設、交流施設、病院や診療所などです。

税金の減額措置

(2013年3月末日までの新築・取得)

所得税・法人税5年間 割増償却40%または28%
固定資産税5年間 税額を3分の2軽減
不動産取得税住宅1戸あたり課税標準から1,200万円控除
土地次のいずれか多い金額
  • 45,000円
  • 土地1m2の評価額×1/2×住宅の2倍(200m2限度)×3/100


プロフィール

今仲 清氏 近影

今仲 清(いまなか きよし)

税理士法人今仲清事務所 代表社員、株式会社経営サポートシステムズ 代表取締役。中小企業の税務・経営・事業承継コンサルタントおよび資産家に対する相続税対策の実践活動を指揮しつつ、金融機関・生保・JA・地方公共団体・ハウスメーカーなどのセミナー講師として年間100回を超える講演を行う。TKC全国会中央研修所 副所長、財団法人都市農地活用支援センター アドバイザー、財団法人区画整理促進機構 派遣専門家等、多数の役職を歴任。『改訂新版 中小企業の事業承継戦略』(TKC出版・共著)、『生前から備える財産承継・遺言書作成マニュアル』(ぎょうせい・共著)等、著書多数。

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