このセミナーの内容は、2008年3月25日現在のものです。

毎年3月下旬に、地価の公示価格が発表されますが、固定資産税の評価額や路線価と、何が違うのか疑問に思われる方も多いと思います。そこで今回は、いろいろな土地の価格について、それぞれの意味や相互の関連性をまとめてみました。

 土地の価格は、公的に使われる評価だけでも、(1)公示価格、(2)基準地価、(3)路線価、(4)固定資産税評価額の四つがあり、一物四価といわれています。これに時価(実勢価格)を加えると、一物五価にもなります。なぜこのような複雑な価格体系なのでしょうか?経済の法則では一物一価が原則ですが、土地は物件の大きさ、質、周囲の環境など「個性」が強く、一物一価として適正な価格を付けることが容易ではありません。そのため目的に応じて、独自の評価額が並立するという状況になっているのです。
 次にそれぞれの土地評価額について、評価基準日や内容、利用目的などを整理してみましょう。
(1) 公示価格とは
国土交通省が全国的に都市計画区域内の標準地を選び、毎年1月1日を基準日として公表する、土地売買取引の指標となる価格のことです。不動産鑑定士が調査し、最新の取引事例やその土地の収益性などを分析して評価を行います。公共事業用地の取得価格算定の目安などにも活用されています。毎年3月下旬に公表されます。
(2) 基準地価とは
都道府県が公表する毎年7月1日を基準日とした土地の価格で、公示価格を補うものです。1月1日を基準日とする公示価格とともに、土地売買取引の指標とされています。公示価格は都市計画区域内が対象ですが、基準地価は都市計画区域内の他に、都市計画区域外の土地も対象に含まれています。毎年9月下旬に公表されます。
(3) 路線価とは
国税庁が相続税や贈与税を算定するため、毎年1月1日を評価時点として、道路に面した標準的な宅地の1m2当たりの評価額を定めたものです。公示価格、基準地価、売買実例価額及び不動産鑑定士等の意見などを参考に算出し、毎年8月上旬に公表されます。
(4) 固定資産税評価額とは
市町村が総務省の定めた「固定資産評価基準」に基づき、3年ごとに1月1日を基準日として、固定資産税の算出のために定める評価額をいいます。次回は平成21年度が評価替えの時期となり、基準年度の前年の平成20年1月1日を基準日として評価されます。
■土地の評価額一覧表
地価の種類
公示価格
基準地価
路線価
固定資産税評価額
評価基準日 毎年1月1日 毎年7月1日 毎年1月1日 基準年度の前年の
1月1日(3年ごとに評価)
公表時期 3月下旬 9月下旬 8月上旬 4月上旬
決定機関 国土交通省 都道府県 国税庁 市町村
内容・
利用目的など
土地取引の公的な指標
(公共事業用地の取得価格算定などの規準とされる)
土地取引の公的な指標
(地価公示価格と異なり、
都市計画区域外等も含む)
相続税、贈与税の評価算定の基礎
(公示価格の80%が目安)
固定資産税、都市計画税、不動産取得税、登録免許税の算定の基礎
(公示価格の70%が目安)
 前述のように、いろいろな評価額があって煩わしいことから、土地基本法という法律で「公的土地評価について相互の均衡と適正化が図られるように努める」と、公的評価の一本化が目標にされています。このため、公示価格を基本にして、路線価はその80%の水準を目安に、固定資産税評価額はその70%の水準が目安になっています。これらの関係を利用して、ある土地の固定資産評価額を路線価から調べたい場合、公示価格を1とすると、路線価は0.8、固定資産評価額は0.7の関係ですので、路線価に対する固定資産評価額の割合は0.7÷0.8=0.875となり、路線価の87.5%が固定資産評価額の目安となります。また路線価から公示価格を調べたい場合、1÷0.8=1.25で公示価格は路線価の1.25倍となります。あくまで目安ですが、覚えておくと結構便利です。路線価は国税庁のホームページで、公示価格や基準地価は国土交通省のホームページなどで閲覧できます。