| このセミナーの内容は、2007年10月25日現在のものです。 |
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| 土地の境界を巡って争いが起こることがあります。それに関連して、土地の所有権の時効取得が問題になることもあります。土地の境界について争いがあった場合、境界はどのようにして決められるのでしょうか。また、時効取得の問題との関係についても、まとめてみました。 | |
| 土地は一筆(いっぴつ)、二筆(にひつ)と数えます。土地には一筆ごとに番号(地番)が付けられており、土地と土地との筆境が、土地の境界となります。 境界の位置や形は、土地の公図を見れば分かります(法務局で閲覧可能)。しかし、公図は「地図に準ずる図面」とされ、「土地の位置及び形状の概略を記載した図面」ですので、100%正確なものではありません。中には、公図の記載に誤りがあることが発見され、公図が訂正されるケースもあります。ただ、そうはいっても、土地の境界を決める上で、公図が有力な手掛かりとなることは間違いありません。 境界を巡って争いが起こり、話し合いでも決着がつかない時は、平成18年から新設された「筆界特定制度」を利用して、法務局に対して筆界(境界)の特定を求めることができます。ただし、裁判所に対して「境界確定訴訟」が提起された場合は、裁判所の判断が優先されることになります。 これらの場合、法務局や裁判所は、公図の他に、境界標の位置、塀などの位置や土地の占有状況、登記簿上の面積と実測面積との対比、分筆の際の地積測量図、過去の実測図などの資料に基づいて、土地の境界の位置を決めることになります。 しかし、これがなかなか厄介な作業であることが多く、時には航空写真(数年おきに国土地理院が上空から撮影している写真)などが手掛かりとなる場合もあります。 |
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| 時効とは簡単にいうと、長年の既成事実に対して法的な保護を与える制度です。他人の所有する土地であっても、ある人が長年にわたってその土地を占有(事実上の支配)してきた場合には、その人にその土地の所有権を認めるのが「所有権の時効取得」です。つまり、他人の土地が自分のものになるということです。ただし、「所有の意思(自分の所有物として使用するという意思)」に基づく占有でなければなりません。例えば地代を払って借りているような場合は、所有の意思がありませんから、いくら長く占有使用を続けていても時効取得はできません。 では、どれだけの年数で時効が認められるのでしょうか。善意(他人の所有であることを知らなかった)で、かつ無過失(知らないことに過失がなかった)の場合は10年間、悪意(他人の所有地であることを知っていた)、もしくは有過失(他人の所有地であることを知らなかったことに過失があった)の場合は20年間と定められています。ですから、たとえ他人の土地であることが最初から分かっていても、「所有の意思」でその土地の占有を20年間継続していれば、土地の所有権を取得することが可能となるのです。 |
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| 通常は、土地の境界と所有権の範囲とは一致しています。しかし、ある土地(A)の一部を、隣地(B)の所有者が越境して占有し、時効取得の要件を備えてしまった場合、土地の境界と所有権の範囲に食い違いが生じることになります(このような意味での所有土地の境を、「所有権境」ということもあります)。この場合、土地Aの所有者(A')が境界確定訴訟を起こしますと、元々の境界の位置を確定するという意味では、A'が勝訴します。しかし、これに対抗して、土地Bの所有者(B')が所有権確認の裁判(誰の所有地かを決める裁判)を起こしますと、所有権境の決定という意味で、B'が勝訴するという結果になってしまうのです。 自分の土地であったにもかかわらず、時効を取得されてしまうと所有権を失うことになりますので、それを避けるためには、時効が完成(10年間または20年間の占有継続)してしまわないうちに、A'はB'に対して「越境を止めよ」という通知を出す必要があります。それでもB'が越境を止めない場合には、通知から6カ月以内に裁判(越境物の撤去請求訴訟など)を起こさなければならないケースもありますので注意が必要です。 なお、境界を巡る紛争の中には、境界標が移動されたり、壊されたりするケースもあります(それは境界損壊罪という刑事犯罪になるのですが)。また、塀や建物が建っていたのに、改築などのためにそれらを壊してしまった後に、境界が問題にされることもあります。境界標や塀などの位置を撮影して写真に残すなど、心配のある方はそのような備えをしておかれるとよいでしょう。 |
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