| このセミナーの内容は、2006年12月25日現在のものです。 |
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| 景気は回復基調にありますが、今回の景気拡大は従来からの自動車、造船、鉄鋼、電気など「重厚長大」産業が貢献しています。今後、この景気拡大を長期的に持続するためには、これらの製造業だけでなく、次世代の技術力を高めてリーディング産業を育て、10年、15年の長い成長ができる企業、また、ソフト産業の確立が期待されています。 | |
| 2006年7月1日時点の基準地価が9月19日に発表されましたが、それによると、東京圏の住宅の地価は0.7%上昇。東京都心の港区、渋谷区では20%を超える高い上昇率となっています。大阪圏も下落に歯止めがかかりました。この傾向は、すでに8月に発表された路線価でも同様の傾向が報告され、大阪、名古屋、東京圏で上昇に転じ、東京圏では3.5%の上昇となり、3大都市圏がいずれも15年ぶりの上昇となっています。 実際の売買でも、2年ほど前は路線価評価の2割増しが売却価額でしたが、2006年11月に私が立ち会った横浜市では、路線価が坪当たり67万円の土地が売却価額坪156万円という、路線価の2.3倍に。また、千葉県の船橋市では、路線価が坪当たり43万円のところ売却価額231万円、路線価の5.4倍にと実勢価額の上昇はミニバブルという状況です。もちろん、これらはマンション用地や投資家による購入など、いずれも利用価値が高い土地であったから路線価の2〜5倍になったのであり、どの土地にも当てはまるものではありません。しかし、都市部での地価の上昇は、景気回復が一部上場の優良企業だけでなく、広く国民全体に行き渡る前ぶれと考えられます。 |
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| 企業の収益は回復し、銀行は不良債権処理を終え、地価は15年ぶりに上昇に転じました。日本経済は、長いトンネルを越え、デフレスパイラルは避けられ、民間企業の設備投資が伸びていますので、景気回復は本物だと考える人が多くなりました。 しかし、これらの景気回復に貢献している企業は新しい産業ではなく、従来からの自動車、造船、鉄鋼、電気など「重厚長大」産業です。確かに、近代日本の思想家、高山樗牛(ちょぎゅう)のいうように「己れの立てるところを深く掘れ、そこには必ず泉あらん」は大切な真実で、今回の景気回復も、このような企業の血のにじむような努力によってもたらされたと思います。 また、景気回復の背景には、中国をはじめアジア諸国の経済発展、アメリカ経済の好景気という外部要因に助けられ、さらに為替相場が、2004年11月中旬には103円と円高だったのが、2006年11月中旬には117円と14円もの円安になったため、輸出による利益が大幅に増加したことによるものです。ですから、アメリカの景気に陰りが出たり、円高になると景気の拡大に黄色の信号が灯ることになります。 |
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| つい2年前までは、「輸出主導の日本経済を取り巻く環境は変わり、規格大量生産の下で組織にどっぷりつかり没個性型の会社人間の時代は終わった。独創的な発想を持った個性的な人材や、他の人間にはマネできない何かを身に付けろ」といわれていました。 このような問題意識で、日本のコンピューター会社の多くが「コンピューターの巨人IBMは、ハード中心からサービスソフトへと戦略を転換して、ユーザーのニーズに沿ったソフト開発、コンサルティング、保守管理などのサービス強化に努め成功した」として、それをマネしてサービスソフトへ事業を転換しました。しかし、肝心なハード、技術にほころびが生じて、大幅な赤字を計上したことはご存知のことと思います。ですから、最近では、景気の回復もあり、このままの輸出中心の企業が頑張れば日本は成長できるのだ、との意見が強くなっています。 |
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| しかし一方、日本人の苦手な戦略的思考がこれからの企業経営に必要であることを理解する経営者も多くいます。家電における液晶やプラズマテレビの技術、車における環境対応に対する技術力、ナノテク分野、ゲノム産業、先端医療産業など、次世代の技術力を高めリーディング産業を育て、10年、15年の長い成長ができる企業の出現が期待されます。かつてアメリカは、製造業では勝てないとの判断のもと、情報産業、宇宙産業、金融産業にいち早く転換して、1990年代からの成功を勝ち取りました。 例えば、金融産業で大事なのは、リスクを取って賢明な資産運用を行うことです。しかし、日本の機関投資家の運用は、実際にはリスクの少ないアメリカ国債を主に購入するだけですから、利回りも少なくあまり儲かりません。アメリカの資産運用では、リスクを取って、高リターンを得ることができています。アメリカが豊かな生活を送れるのは、このような金儲けの巧みさによっています。物づくりも大事ですが、創造性とスキルを持った優秀な人材が高い賃金を取り、努力する人としない人との間に格差が生まれるのは、やむを得ないのではないでしょうか。やはり、独創的な発想を持った人材によって、ソフトの時代を勝ち取らないと持続的な経済発展は期待できないと思います。 |
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