| このセミナーの内容は、2006年11月25日現在のものです。 |
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| 借地上の建物を担保に入れて融資を受ける場合、地主の「担保差入承諾書」を提出するよう、金融機関から求められる場合がほとんどです。 この「担保差入承諾書」にはいったいどのような意味があるのか、また、これを提出した地主はどういう拘束を受けることになるのか、考えてみたいと思います。 |
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| 土地と建物は法律上は別の不動産ですから、土地とは別に建物だけを担保に入れることができます。それが借地上の建物である場合、建物に設定された担保は当然借地権にも及ぶとされており(民法八七条)、法律的には本来、借地人は地主の承諾なしに建物(と借地権)に担保を設定することが可能です。 ところが、借地人が融資を申し入れるとほとんどの金融機関では、次のような内容の承諾書を地主に書いてもらって提出するよう要求してきます。 |
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| 法律的には本来不要な承諾書の提出を、わざわざ金融機関が求める理由はどこにあるのでしょうか。 そもそも、建物は土地を離れて存立できませんので、借地上の建物は借地権を伴っていてこそ経済的価値があり、借地権が失われてしまえば建物の担保価値もなくなります。例えば、借地人が地代の支払いを怠り地主から借地契約を解除されるような事態になると、金融機関としてはせっかく取った担保が無価値となってしまいますので、そのような事態は絶対に避けたいわけです。しかし、借地人がきちんと地代を支払い続けているかどうかを金融機関がチェックすることは実際上不可能ですから、上記(3)のような内容の承諾書を提出させて、解除の前に金融機関へ通知するよう地主に義務付けるのです(通知を受けた金融機関は当座の地代を立て替え払いするなど、担保を保全します)。 また、借地人が建物を売却すると借地権もそれに伴って移転しますので、借地上の建物を売却しようとする場合は、借地権譲渡について事前に地主の承諾を得ておく必要があります。その際、地主が承諾を与えてくれなければ(もしくは、借地非訟の手続きを取って地主の承諾に代わる裁判所の許可を得ないと)借地権の譲渡はできません(承諾を得ずに売却すると借地契約を解除されます)。そうなると、借地上建物の売却・換価がスムーズに運ばず、金融機関は貸金の回収に手間取ったり、もしくは回収ができないという事態になりかねません。そこで上記(2)のような内容を入れて、借地権の譲渡等について地主の承諾を得やすくしておこうと金融機関は考えるわけです。 なお、借地人が借地上の建物の任意売却に応じず、金融機関が抵当権を実行し競売によって人手に渡った場合、その買受人から地主に承諾を求めても地主が応じない場合には、買受人は借地非訟の手続きを取り裁判所の許可を求めることができます。 |
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| では、借地人が地代の支払いを怠った場合に、「担保差入承諾書」を提出している地主が、金融機関に事前に通知することなく借地契約を解除してしまった場合、その解除は無効となるのでしょうか。あるいは、解除自体は有効に成立するが、金融機関に提出した承諾書の文言に違反して担保価値を失わせたとして、地主は金融機関に対して損害賠償責任を負うことになるのでしょうか。 これは実は、今まであまり論じられてこなかった問題なのですが、最近になっていくつかの裁判例が出されています。 裁判例では、解除自体は有効であるとするものが多いようです。ただその場合に、地主が金融機関に対して損害賠償責任を負うという判断をした例もあります。 まだ最高裁判所の判断は示されていませんので、一概には論じられませんが、金融機関に承諾書を提出した地主が、地代の不払い等により借地契約を解除しようとする場合には、慎重な判断が必要となりますので注意してください。 |
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