| このセミナーの内容は、2006年10月25日現在のものです。 |
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| 地震頻発期を迎えているという日本列島。いつどこで起こっても不思議ではないといわれるだけに、対策や心がまえが必要です。今回は、地震による被害が賃貸住宅経営に与える影響を解説。震災によって建物が破壊した時に借家契約はどのような影響を受けるのか、また、建物の倒壊により万一死傷者が出た時の家主の責任や、建物の修繕の問題がどうなるかについてまとめてみました。 | |
| 借家契約は建物を目的物とする契約ですから、例えば震災によって建物が全壊したり、火災により焼失してしまったりと、契約の目的物自体がなくなってしまった場合には、当然借家契約は終了します。全壊ではなく、修繕すれば使用できる程度に破壊した場合は契約は終了せず、家主は修繕に応じなければなりません(修繕義務)。以上が民法等の一般の法律による原則ですが、阪神・淡路大震災のような大規模な災害の場合には、「罹災(りさい)都市借地借家臨時処理法」という特別法が発動されるケースがあります。 |
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| この法律は、被災した借家人の保護を目的とするものです。 前述のとおり、建物が全壊した場合、借家契約は終了してしまうのが原則ですが、この臨時処理法の適用がある場合には、その建物の借家人が2年以内に、土地の所有者に対して申し出ることにより、その建物が建っていた敷地を賃借りする権利を取得できるとされています(これを優先借地権といい、存続期間は10年とされています)。つまり、借家権よりも強い借地権へと権利が生まれ変わるのです。 もっとも、借家人から申し出があっても、3週間以内であれば土地所有者は申し出を拒み、優先借地権の発生を阻止することができます。ただし、自らその土地に建物を建てて使用するなどの「正当事由」が必要とされます。 また、倒壊した建物に住んでいた借家人が、その敷地上に震災後に初めて建築される建物について、その完成前に建物所有者に申し出ることによって、新築された建物を賃借りする権利を取得するという制度も、臨時処理法に定められています(これを優先借家権といいます)。この場合も、その建物を自ら使用するなどの「正当事由」がある場合には、建物所有者は申し出から3週間以内であれば、これを拒絶することもできます。 |
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| 大震災による被害は不可抗力といえますから、居住していた借家人や通りかかった通行人が、例えば倒壊した建物の下敷きとなって死傷したような場合、建物所有者が責任を問われるようなケースはほとんどないと考えられます。 しかし、建物に構造上の欠陥があり、通常要求される耐震性を欠いていたため建物が倒壊したような場合や、震度5程度の中規模地震で、周辺の建物はほとんど被害を受けていないのに、ある建物だけが倒壊したような場合には、建物所有者が法的責任を問われる場合がありえます。 裁判例でも、地震でホテルの増築部分が崩落し、宿泊客が下敷きとなって亡くなったケースについて、増築の仕方に問題があり、地震の際に接合部が破壊されやすいという構造上の欠陥が故に、建物内を安全な居住空間として保つという通常要求される強度を保持していないという瑕疵があったとして、ホテルの所有者に損害賠償を命じた事例があります。また、人身被害のケースではありませんが、震度5の地震によって分譲住宅に亀裂や地盤沈下が発生した場合に、その住宅の売主に対して損害賠償責任を認めた裁判例も出ています。 悩ましいのは、建物が老朽化していて危険であるから立ち退いて欲しいと家主が申し入れているのに、借家人が頑として立ち退きに応じないという状況下で、借家人に被害が発生したようなケースです。家主には建物の修繕義務があり、建物を居住に適した状態、少なくとも入居者の生命・身体を損なう危険性がない状態で提供する義務があると考えられますから、このようなケースでも家主は損害賠償責任は免れないと思われます。ただし、危険を家主から告知されながら、立ち退きに応じなかった借家人にも全く責任がないとはいい切れず、過失相殺により損害賠償額が減額される可能性も考えられます。 いずれにしても、家主も借家人も被害者にならないようにするためには、耐震性の強い建物に建て替えるか、少なくとも耐震補強工事をして、地震への備えを万全にしておくことが必要です。 |
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