| このセミナーの内容は、2006年7月25日現在のものです。 |
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| 権利金、礼金、敷金、保証金、更新料など、土地や建物の賃貸借契約ではさまざまな金銭の授受が行われています。これらはよく耳にする言葉ですが、その正しい意味や性質は一般の方にはわかりにくい場合が多いと思います。今回は、これらの金銭についてもう一度確認してみたいと思います。 | |
| 「権利金」とは、借地契約や借家契約の締結の際に授受される金銭で、契約終了時に賃借人に返還されないものをいいます。借家契約では「礼金」と呼ばれている方が多いでしょう。 権利金の法的性質については、いろいろな見解があり、最終的には当事者がどのような趣旨で授受したのかにより判断されます。 借地の場合には、「借地権設定の対価」として授受されるものが多いといわれています。それは借地権が法的に強い権利として認められていることに関係します。借地権は、更地価格に対して50%から90%の財産的価値を有していますが、本来、その設定に権利金の授受は要件とされていません。権利金の授受をしないで借地権を設定してしまえば、借地人は強い権利を主張することができます。したがって、地主はその設定にあたり、それに見合う十分な対価を求めることになり、それが権利金ということになります。 これに対し、借家契約で授受される権利金ないし礼金は、おおむね家賃の1カ月分程度であり、慣行的に授受される、文字通りの礼金と考えられるでしょう。 |
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| 「敷金」は、契約締結に際し、賃借人の債務不履行(契約違反)による損害賠償金を担保するために授受される金銭です。契約終了時に賃借人に債務不履行があればその額は減額され、なければ全額が返還される点で「取り切り」の権利金とは異なります。借家契約に際してその授受がなされているのが一般的です(賃料の2カ月分か3カ月分が多い)。 賃料の滞納などがある場合、敷金をこれに充当することができますが、充当しないで賃料を請求することもでき、どちらを選択するかは賃貸人の自由とされています。家主が変更して新家主が契約を承継する場合には、敷金関係も当然承継され、新家主は、旧家主から敷金を現実に引き継いだか否かにかかわらず、敷金の返還義務を負うことになりますので注意を要します。 敷金の返還と目的物の明け渡しの関係については、同時履行の関係はなく、「敷金を返してくれなければ建物を明け渡さない」とはいえない、というのが判例です。 また、契約終了時の建物の原状回復義務との関係では、汚損の程度が「通常損耗」の範囲であれば賃貸人がこれを負担し、敷金から修繕費用等を控除することはできません。 「保証金」も、一応は一定の債務の担保のためにあらかじめ交付される金銭ですが、一義的に定義されるものではなく、その法的性質は当事者の意思によって決まります。 賃借人の債務を担保するために交付され、契約終了時に全額返還を予定しているものであれば、それは「敷金」と同じということになります。しかし、テナントの賃貸借などでは、一部について「償却」という名目で返還を要しないと規定されていることが多く、その部分については権利金・礼金の性質(取り切り)を併せ有することになります。 また、新しいビルを建築する際に多額の保証金を授受し、これをビルの建築費用に充てる例などもあり、この場合の保証金は「借入金」の性質を有するともいわれます。 このように保証金は、さまざまな性質を併せ持つ場合があります。特に敷金の相当額を超える家賃の1年分や数年分の保証金の授受がなされる場合には、敷金、借入金、権利金などの性質を有することになり、賃貸人が交代した場合に、その保証金が新賃貸人に引き継がれるかどうか大きな争いになることがあります。 |
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| 「更新料」は、賃貸借契約の更新(継続)がなされる場合に、賃借人から賃貸人に支払われる金銭です。都市部では、土地や建物の契約更新の際の更新料の授受は常態化しています。 借地の場合、更新料(借地権価格の3%から5%の範囲で定められるのが通常)を当然に請求できるかどうかは、更新料授受の事実たる慣習があるかどうかによって決まります。最高裁判所の判例では、そのような事実たる慣習はないとされていますので、更新料支払いの特約がなければ、借地人に更新料の支払い義務はないということになります。 したがって、地主としては、最低限、賃貸借契約書に更新料支払いの特約を定めておくことが必要です。 他方、借家の場合には、契約書に通常家賃の1カ月分程度の更新料の支払いの記載があるのが普通であり、その場合には賃借人に支払い義務があるとするのが一般的でしょう。 |
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