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 京都・大阪・奈良にまたがる京阪奈丘陵に開発が進む関西文化学術研究都市(通称、学研都市)は、総面積1万5000ヘクタールの住宅都市整備公団による壮大なプロジェクトです。ここでご紹介するHさまは、その一翼を担う田原地区に山林や田畑を所有される代々の大地主。開発による換地で山林が約1350坪の宅地として戻ってきたのを機会に、土地活用をご計画。オーナーとしてのスタートをきられました。



 近鉄奈良線の生駒駅から車でおよそ15分。学研都市の、豊かな緑に包まれた田原地区の高台の一画に、Hさまが所有される約1350坪の宅地があります。ここは、学研都市建設の全体構想のもと、近代的かつゆとりのある整備された住宅地として発展していくことが見込まれる地域だけに、地元住民の街づくりに対する意識は高く、普通の賃貸集合住宅は認めない方針が自治会で決定されています。
 土地活用にあたって、Hさまがもっとも気にかけておられたのは、固定資産税や相続税対策もさることながら、そのような地域環境と調和する無理のない活用を、ということでした。
 一方、事業経営の観点から立地環境を検討すると、将来的にはさらなる生活基盤の整備が進められるにしても、現時点では最寄りの生駒駅からバスで約20分という典型的な郊外型住宅地。1350坪もの広い敷地を賃貸住宅だけで活用するのでは、建築に要する資金も莫大になり、リスクも大きくなりがちです。
そこで、長期にわたって安定収入が得られる定期借地権住宅と、収益性がよく相続税対策にも有効な賃貸集合住宅をミックスした複合活用プランをご提案しました。



12棟の戸建住宅で構成された定期借地権エリア。



メゾネットタイプ5棟からなる賃貸住宅エリア。



 このような複合活用プランでは、賃貸住宅エリアをどのようにするかが全体のイメージを左右します。収益だけを追求するなら、安価な建物をたくさん建てたほうが効率がいいわけですが、それでは周辺住民のみならず、同じコミュニティに住む定期借地権住宅エリアの住民にも受け入れられません。収益性とのバランスをとりながら、できるだけ賃貸住宅エリアに高級感を持たせることが、長い目で見るとトラブルの少ない安定した経営につながります。
 そのため、今回のプランでは、賃貸住宅エリアに1住戸面積が80m2を超える3LDKのメゾネットタイプ(1棟2戸)を採用。加えて外まわりには芝生や樹木を配し、定期借地権の戸建住宅エリアと一体感を持たせるとともに、周辺環境を比べても遜色のない佇まいとなるよう配慮しました。
 また、敷地全体のランドプランでは、近隣と接触度の高い東側を定期借地権付戸建エリアとし、賃貸住宅は奥まった西側にまとめています。マンションからの買い換え層をターゲットにした戸建住宅エリアと、若いファミリー層をターゲットにした賃貸住宅エリアでは、住民の経済力やライフスタイルが異なります。ひとつの街並みとしての調和を保ちながらも、同時にエリアをはっきりと区分けしておくことが、複合活用を成功させる重要なポイントと考えました。

所在地/大阪府四條畷市田原台9丁目
用途地域/第一種低層住居専用地域
建ぺい率/50%
容積率/100%
全体敷地面積/4,447.00m2
定期借地権付分譲住宅/12棟12戸
賃貸住宅/5棟10世帯(駐車場14台分)



 事業の管理運営については、Hさまから「収益は少なくなっても安心していっさいを任せられるほうがよい」との明確なご要望がありました。そこで、賃貸住宅5棟10戸分については不動産業者に10年一括借上げをお願いし、入居者募集から契約更新、家賃徴収など管理運営業務いっさいを代行してもらうことにしました。これにより、空室の有無にかかわらず、Hさまには10年間の家賃収入が保証されます。
 また、定期借地権事業は別の不動産業者に協力を要請し、12区画の宅地を一括して借上げてもらい、そこにパナホームが戸建住宅を建築し、不動産業者が定期借地権付住宅として分譲するという方式をとりました。結果的には完売しましたが、仮に売れ残ったとしてもHさまには全区画分の保証金と地代が入ります。リスクがないぶん、収益は若干少なくなりますが、Hさまのご希望通り、管理運営の負担をおかけすることなく事業をスタートしていただくことができました。Hさまの土地に17棟22世帯からなるコミュニティが完成。統一感のある建物群と各戸前庭に緑を配した落ち着いた佇まいは、田原台一帯でもひときわ目を引く存在です。
 近年、地域環境や街並みに対する住民意識の高まりとともに、住宅地で賃貸経営を計画されるオーナーと地域住民との間でトラブルが発生することもめずらしくありません。双方が納得でき、しかも事業としても成功する土地活用プランが、今後ますます必要とされることでしょう。今回ご紹介したHさまのケースは、その答えのひとつといえます。


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