File02

 甚大な被害をもたらした、平成7年の阪神大震災。その影響は周辺各地の賃貸住宅事情にも大きな変化をもたらしました。震災の後、低家賃の公営住宅が数多く建築され、それにともなって民間の賃貸住宅に空室が目立つようになったのです。これは家賃の低下に結びつき、経営を締めつける要因となってきました。ここでご紹介するSさまがお住まいの兵庫県加古川周辺も、こうした地域の一つ。この厳しい経営環境の中で、Sさまは賃貸住宅経営と住宅向け定期借地権事業を併用して、よりリスクの少ない、安定した土地活用を進めていらっしゃいます。絶好のケーススタディとして、ご紹介してみましょう。
Sさまが経営する「ヴィラビスタ」は、平成2年建築の2DKタイプ1棟8戸、平成7年建築の2LDKタイプ2棟10戸で構成されています。



 Sさまがお住まいになる加古川周辺は宅地化が進み、年々農業を続けられる環境ではなくなってきています。農地でなくなれば当然固定資産税も上がり、負担も大きい。といって、先祖代々に渡って引き継がれてきた土地を手放すわけにはいかない。ということでこのあたりでは、土地を有効に活用できて安定性も高い賃貸住宅経営に乗り出す方が、多く見受けられます。Sさまも、平成2年に農地の一部を造成して2DKタイプ1棟を建築し、賃貸経営を始められました。平成7年には2LDKタイプ2棟を加え、経営を拡大。段階的に事業規模の拡大を図ってこられました。そして平成10年からSさまが始められたのは、住宅向けの定期借地権事業。約720坪の田んぼの半分を造成して、4区画の定期借地権事業を始められました。経験を積んだ賃貸経営でなく、あえて定期借地権事業を選ばれた理由は、加古川周辺の賃貸事情にあります。震災後、加古川地域では公営の賃貸集合住宅の建設ラッシュを迎えました。これらは低家賃で戸数も多いため、周辺民間アパートの空室率を引き上げることになってしまいました。高い入居率を確保するためには、当然ながら低家賃設定が求められます。こうした賃貸経営には厳しい状況の中で、Sさまは定期借地権事業を選択されました。

Sさまの土地に建つ1区画約54坪・4区画の定期借地権住宅。



 定期借地権事業は、先祖代々の土地を守りながら始められる土地活用の一つ。高い収益性こそ見込めませんが、非常にリスクの少ない土地活用といえます。その最大の利点は契約時に土地の更地価格の20%前後という多額の保証金が、一時金として土地オーナーさまに入ること。例えばSさまの住む加古川地区では、1区画あたりの保証金の平均額が600〜700万円。4区画で2400〜2800万円程度となります。この保証金は50年後の契約満了時に返還すればいいわけですから、その間は運用が自由。Sさまは、この保証金を古い家屋の建て替え資金の一部に充当されました。また近年パナホームがお勧めしているのは、保証金を建築資金の一部に充てて賃貸住宅経営を始める方法。50年間無利子の建築資金が導入できるようなものですから、賃貸住宅の収益率は大幅に高まります。50年後の返還に対しては、定期借地権の地代収入の一部を積み立てていくことでカバーできると考えられます。これからの土地活用の代表的な手法として、検討する価値は充分にあるといえるでしょう。

加古川周辺では、このように農地を分筆し、4区画程度の定期借地権事業から土地活用をスタートされる方が増えています。



 さて、賃貸住宅経営を3棟、定期借地権事業を4区画と段階的に事業規模を拡大されてきたSさま。その土地活用の基本は、時代の変化に対応できるように活用の時期をずらしてサイクルで考えるということにあるようです。 「私がアパート経営を始めたときは定期借地権なんてなかった。今度は定期借家権ができた。そんな風に時代の状況は変わります。10年後がどうなるかは誰も読めない時代です。だから一気に着手しないで時代に合わせてサイクルで考える。そうすればリスクも少なくてすむはずです」とSさま。「それに、アパート経営だけで考えても、時代が変われば生活パターンも変わります。だから、入居者が求める間取りや設備といったことも変わってきます。そういう点も考慮して、時期をずらしながらサイクルで土地を活用していくことがいいと思います」ともおっしゃいます。こうしたSさまの土地活用理論は、おおいに参考にしたいところといえるでしょう。


オーナーインタビュー
スタッフメッセージ
土地活用ファイル(TOPへ)
File File01 File02 File03 File04 File05 File06 File07 File08 File09 File10 File11 File12 File13 File14 File15 File16